【プレスリリース】世界初、森林浴発祥の地をめぐるインバウンドツアーの実施

世界最大の森林浴ネットワークと提携し、日本の魅力を世界に発信

一般社団法人森と未来(以下、森と未来)は、森林浴を通じて森林と都市を繋ぐことを目的として2015年に設立し、これまで森林空間を活用したプログラム開発及び人材育成を国内外へ約60社40地域へと提供し、延べ2,500名を森ご案内しています。

世界で流行した COVID-19 が収束し、自然への関心が一層高まる中、日本発祥の取り組みである森林浴 は”Shinrin-yoku” として世界に広がり注目を浴びています。 こうした背景の中、世界各国から森林浴発祥の地である日本に対する問い合わせが急増し、2023年10月に世界初となる今回の取り組みを実施することとなりました。(注1)

■世界が注目する「Shinrin-yoku(森林浴)」と、今回の企画背景

日本は国土の約7割が森林で覆われ、森林率はOECD加盟国の中で3番目に高い森林大国です。しかし、日本は木材価格の低迷や少子高齢化の影響を受け、木材産業は依然として逼迫した状況が続いています。そのような状況の中で、森林の空間を活用した森林サービスへの事業化が期待されています。

こうした森林の空間利用の一つに森林浴の取り組みが挙げられます。森林浴は、1982年に当時の林野庁長官が提唱し、2000年代に入ってから医療関係者が研究に参加したことで、森林環境が人体へ及ぼす健康効果(森林浴の医学的効果)が医学的にも証明されています。

日本から森林浴の効果が医学論文に掲載され、外国語で書籍なども世界中に発売されると、森林浴は日本から生まれた “Shinrin-yoku”(シンリンヨク) として世界中に広まり、森林で行う健康法としてその魅力が伝わっています。また、海外では森林浴のプログラムを提供するガイド育成を行う団体も誕生しています。
森と未来は2019年 にアメリカソノマ州立大学で開催された森林浴の国際カンファレンスに呼ばれ日本の森林浴について講演をしました。

近年、社会全体で地球環境問題やウェルビーイングへの期待、健康への効果が認められているため、当社への問い合わせが増加しています。これは COVID-19 の経験による影響もあると考えられ、世界中で自然に触れることへの価値が再評価されている兆候であると言えるでしょう。

森と未来は、こうした需要に備え2020年より国内で「森林浴ファシリテーター」の養成を開始。これまでに全国で50名の人材を育ててきました。そして、2023年に移動制限が解除されたことから、いよいよ世界中から森林浴発祥地である日本を訪れ体験するプロジェクトを実施することとなりました。

■今回の実施内容

当社のパートナーである、アメリカを拠点とする森林浴のガイド育成団体 ANFT(Association of Nature and Forest Therapy)と提携し、森林浴の発祥地である日本でツアーを実施します。ANFTは2012年にアメリカで設立された団体で、世界6大陸60カ国に約3,000人のガイドを育成しており、各国での展開も進んでいます。

森と未来は、この企画全体をプロデュースし、国内の旅行会社イーツアー株式会社(ジョルダンブループ)と提携し、これまで当社が育成してきた森林浴ファシリテーターをはじめ、各地域の観光協会、ガイドの方々との連携により現地で森林浴を実施します。今回のツアーは、日本の森を観光資源として活用するための実証フェーズとして位置づけています。来年度以降、海外旅行客を対象とした日本での森林浴インバウンドツアーの企画、また世界各地における森林浴ツアーの企画実施も行っていく予定です。

これにより、日本各地の森林の新たな活用、山村地域の経済活性化に貢献し、また、日本の国際的な存在感を高めるお手伝いをしていきたいと考えています。森林を通じて日本の文化や伝統を世界に伝え、森と人が共に健康で豊かな未来に向けて活動を続けていきます。

■推薦者

涌井 雅之 氏

東京都市大学-特別教授
岐阜県立森林文化アカデミー 学長
中部大学 学事顧問 客員教授
愛知学院大学 経済学部 特任教授

世界でも稀な多様性に富んだ長野と奥多摩の森。その森の精小野なぎさが主宰する「森と未来」とANFTにより、日本から生まれた森林浴のガイドツアーが。まさに心と身体のトリートメントと創造性が満杯のそれであろう。

 世界が苦しんだCOVID-19。それは自然と共生せねば持続的未来は存在し得ないという峻厳な事実を自然界が我々人類に突きつけた警告と考えている。そうした認識が欧米から「グリーンリカバリー」。つまり自然との共生による新たな文明の復興への提言である。その共生の相手、自然の主役は言うまでもなく植物で有り、それが重層集約された空間が森林である。方や環境負荷の低減策として、我々はDXという手立てを入手した。しかし今、改めて我々が生物で有る事をそのDXから教えられている。それはシームレスでアナログな生命体としての人間の心身への心療内科的生理的不適合である。それが個人の健康のみならず、ストレス性社会の到来や創造力の低減といった社会 経済に及ぼす影響として日常に影を落とし始めている。

 森林浴への世界的着目は、心身の洗い替え。つまりストレスマネージメントに最適であり、リトリートメントへの心療内科的、免疫力向上等への有効性の高さにある。加えてこのツアーに参加する事により、日本という国の数千年に及ぶ自然共生の思想を、訪問する森林やそれを支える地域の人々の有形無形のライフスタイルや景観から、楽しみを含めて学び体験できる事も、このツアーの大きな魅力であろう。

■ツアーの詳細

日時:2023年10月13日〜16日
場所:長野県 上松町(赤沢自然休養林)、東京都 奥多摩町(奥多摩 登計トレイル)
参加者:23名(アメリカ・カナダ・コロンビア・ニュージーランド・オーストラリア・シンガポール・香港)

羽田を基点に、ツアーを実施します。

ー参考情報ー

実施予定地1:長野県 上松町 赤沢自然休養林

森林浴発祥の地で森林浴体験。樹齢300年を超える木曽ヒノキの天然林がある国有林。この森で育った木は、伊勢神宮に収められている。日本人と森の関係、地域に伝わる伝統文化、信仰について、現地の方からお話を聞き、最後に木曽ヒノキで木工体験を行う。


実施予定地2:東京都 奥多摩町 登計トレイル

東京からほど近い森林。森林セラピー基地としてロードが開発されており、人と森の融合が感じられる。奥多摩町では、日本の森林浴ファシリテーター(森と未来認定資格)と共に、森の感じ方、プログラムの方法、文化など意見交換をしながら森林浴を楽しむ。

注1:一般観光としての自然体験ではなく、日本で生まれた森林浴の歴史や効果について、日本の森林を巡り専門家から学ぶインバウンドツアーは国内・海外において初めての試みである。2023年10月1日時点自社調べ。

■一般社団法人森と未来について

一般社団法人森と未来は、日本の森林と人々が共に健康で豊かな未来を創ることを目的に2015年に設立をし、森林と都市を繋ぐため森林空間を活用したプログラム開発、人材育成事業を行っています。

日本の森林を健全に未来に届けるため、森林の新たな価値の転換を図りながら、地域や森林サービス産業の活性化に向けて活動をしています。これまでに森林浴ファシリテーターを50人育成、森林空間を活用したプログラム開発、人材育成、講演等を約60社、40地域へ行った実績があります。代表の小野なぎさは、2019年に書籍『あたらしい森林浴』(学芸出版社)を執筆、2019年より林野庁の林政審議会委員に就任しています。

【本件に関する問い合わせ先】

一般社団法人森と未来 広報担当
inforest@fwithf.org