【追悼】森を愛する出井さんへ感謝を込めて

わたしのような者が、出井さんの素晴らしさを語るなんておこがましいのはわかっているけれど・・・・
出井さんには本当に、本当に感謝しかありません。
森を想い、森と未来を応援いただいた感謝の気持ちを、ここに残したいと想います。

森での出会い

出井さんとの出会いは、今から10年ほど前、
わたしが保健農園ホテルフフ山梨で働いている頃でした。
会社の仲間を連れてお泊まりに来てくださって、
その時、桜が満開の森をご案内したことがきっかけでした。

当時のわたしは本当に恥ずかしいほどの無知で、
出井さんがどんなにすごい人かを知らずに森をご案内しました。

(よく喋る人だな・・・)というのが第一印象でした。

満開の桜の木の下にシートを敷いて
「ここで寝てみましょう!」といって、ゴロンと横になった瞬間、
「わー最高!極楽!」と、とても無邪気に喜んでくださったことを覚えています。

 

 

 

 

 

 

 

このやりとりが印象的だったそうで、
後日、出井さんがご挨拶をされるシンポジウムに呼んでいただきました。

「小野なぎささん、ちょっと立って!」

数百人いるシンポジウムの会場のど真ん中で名指しで呼ばれ、、起立。
「彼女が僕の森林セラピストなんだよ」
「桜の下で寝させられてね。これからはこういう森での過ごし方も良いんじゃないかな」

と皆さんの前で紹介してくださったのです。
森を案内した後、ネットや書籍をたくさん読みあさり、どんな方かを知ったわたしには、
心臓が飛び出そうなくらいの出来事で、、正直、帰り道まで震えていました。

それから、出井さんと森の話をする機会が増えました。
というのも出井さんは、その時すでに「日本の美しい森づくり推進協議会」の会長をされていたため、
こんな小者のわたしとも、森に関する話ができたのです。

「なぎささんはどう思う?」

出井さんに聞かれるたび、あらゆるデータを調べいろいろ勉強しました。

2015年春、会社をやめた時、出井さんにご挨拶に行きました。
その時のわたしは婚約をしていて、結婚して子供を産むか、
起業して仕事をするかに悩んでいました。そんな悩みも聞いてくださって、

「どっちかにしようとしたら、両方失敗するよ。
どっちも一緒にやったほうがいいよ!そしたら必ず開けるから」

この一言で、迷いが吹っ飛び、やろう!と決心がつきました。
(結局結婚の話はなくなりましたが。笑)

さらに、来月勉強会があるからおいで。とお誘いいただき、
「はい!次回お会いする時、会社作ってきます」と伝えました。

森への想い

2015年10月15日
「森と未来 代表理事の小野なぎさと申します。」

会社の理事でもある中島さんにたくさんサポートをいただき、
10月15日の昼に会社の登記をすませ、夜の勉強会で1番に出井さんに名刺をお渡ししました。

会社を作ったのは良いけれど、一般的な企業から見たら、実績もなければ、お金もない、
今までにないことをやっているので、はっきりいってよくわからないことをやってる非営利団体。
そんな声をたくさん聞きました。(お金とるの?と何度言われたことか・・・)

ある日、出井さんに「森と未来の顧問になっていただけませんか?」とダメもとで尋ねてみました。
無名すぎて信頼を持ってもらえないことが困っていることも伝えました。
すると、「いいよ!」と即答。

「これまで世界のこととか、経済界のことはいっぱいやってきたけど、
日本のこと、森のことをもっと知りたい。
動くことはできないけど、わたしの経験や人脈は存分に使って良いから」

会社概要に出井さんのお名前を書いた日から、
恥ずかしくない仕事をしよう。出井さんに認めてもらえるような仕事をしたいと強く思いました。

(左)中島さん(中)出井さん(右)小野

それから、いろいろな相談に乗っていただきました。
「なぎささんの仕事は、一生楽しめそうだね」
森と未来の仕事は、ワクワクしか感じられなくなりました。

出井さんが大切にしている軽井沢の森をご案内いただいたり、
植樹祭へ招かれていた時は、一緒に皇室と同じ会場でお食事をいただいたり、
沖縄でカチャーシーを一緒に踊ったり、何とも不思議で貴重な体験でした。

出井さんはソニーの人、プレステ、VAIO、aibo・・・
インターネット業界のイメージが強い方が多いかと思いますが、
わたしが出会った出井さんは、経済界の巨人であり、若者を応援する方であり、
森を愛する方でした。

「ソニー時代、仕事が目まぐるしく忙しい日にも、軽井沢の森へ行くと(別荘がある森)、
出井伸之に戻ることができたよ。自分と向き合える時間だったな。
僕に森の時間がなかったら、潰れてたよ。」

書籍を書いている時、こんな言葉をいただきました。
聞いた後、目が熱くなって、何だか地に根が張った気がしました。

 

 

 

 

 

 

 

森の業界にも、目を向けてくださっていたことは
わたしだけでなく、多くの方の大きな自信になっていたことだと思います。

30歳になったばかりのわたしの話を、真剣に、興味深く、楽しそうに聞いてくださいました。
上から目線で話をされたことは本当にありませんでした。

「なぎささんは本当に何にも知らないんだね〜といろいろと教えていただきましたが。笑」

いくつになっても変わらぬ紳士な振る舞い
品のあるチャーミングな仕草
若者と一緒に楽しそうに議論する姿

本当に素敵だなぁといつも惚れ惚れしました。
出井さんからの教えを胸に、必ず日本の未来のために尽くしていきます。
本当に、本当にありがとうございました。

森と未来 小野なぎさ