【報告レポート】第3回森林浴ファシリテーター養成講座

2022年5月13日〜15日第3回森林浴ファシリテーター養成講座、集合研修を開催しました。
例年コロナの影響で延期が続いていましたが、今年は念願の春開催が初めて叶いました!
森林浴ファシリテーターとは何を学び、どんなことをする人なのか?
研修の様子とともに、ご紹介したいと思います。

森林浴


森林浴という言葉は、皆さんなんとなく聞いたことがあるかと思います。
森林浴とは、五感をたっぷり使って森を浴びること。
最近は、森林浴を行うことによる健康への医学的効果も解明されており
血圧やストレスホルモンを下げ、免疫力を高めてくれることもわかっています。

参考:『あたらしい森林浴』小野なぎさ著(学芸出版社)

そんなわたしたちの暮らしに取り入れたい森林浴。
しかし森は、人の健康のためにあるわけではありません。
わたしたちが森林浴を体験することで、森のためにもなり、その森のある地域のためにもなり
さらに、森林浴を企画する人、参加する人の健康にも貢献できる。
そんな三方よし、四方よし、五方よしの活動になるよう、森林浴の取り組みを導く人。

それが森林浴ファシリテーターです。

第3回森林浴ファシリテーター養成講座

養成講座の会場は、昨年に続き山梨県北杜市、標高1400m、アルプスに囲まれた清里清泉寮で開催しました。前に赤岳、後ろにアルプス!最高の景色です。

全国から集まった14名の受講生。年齢も性別も、仕事も住まいも趣味も全く違う人たち。
そんなメンバーとともに学びがスタートしました。

講座は小野なぎさガイドによる、森林浴体験からのスタートです。
初日のお天気は雨。雨の森での森林浴の体験を行いました。

雨の日は屋外のイベントは中止になることが多いですが、森林浴は雨の日もまた特別な体験ができます。
(安全管理に問題がない場合は雨天も開催します)
森がゴクゴクとお水を飲む様子、色鮮やかな森
雨の日はなんといっても香りが素晴らしい!
木々や土壌から、森の様々な匂いが森の中に漂っています。

葉や土にあたる雨の音も楽しむことができます。

初日は、森林浴の魅力、森の何が身体に良いのか、森林浴は今、
日本で、世界で、どんな価値を生んでいるのかを座学で学びました。

そして、森を使う時に欠かせないのが安全管理!
毎日森を案内しているキープ協会のインタープリター小野明子さんから安全管理の心得を教わりました。

2日目

雨の降る朝。午前中の講義を進めていると次第と雲が天に上がっていき
次第と淡い青空が広がってきました。そして、富士山やアルプスの山々と対面することができました!


雨上がりの森。これがまた素晴らしい!
ということで、予定にはありませんでしたが、2日目は晴れの日の森林浴体験をしました。

大きな木の人生を想像したり、

笹の新芽をみんなで試食!(お、うまい!)

視覚を奪われたら、どんな感覚がするだろうか?

全身で太陽を探せ!!あれ?全然違うところに太陽を感じた人も。笑

五感をフルに使って、森を楽しむ。
森林浴は、森の説明をする時間ではありません。森を感じる時間。
身体に備わっている感覚を全て使って森を味わいます。

午後は、フィールドアセスメント。
その森はどんな森で、森林浴を行う場合リスクはどこにあるのか。
グループで丁寧にアセスメントします。

そのあとは、日本の森の課題を学び、日本の森は今何が課題で
地域の森で森林浴を行うことは、どんな意味があるのかを考えました。
そして、いつも地域と共に活動をしている、石坂真悟さんから地域とつながる心得を教わりました。

夜は、暖炉を囲み、思い想いに語り合う対話の時間。
会社員として、母として、父として、いろいろな立場があるけれど
その前に、1人の人間であること。対話を通して人はそれぞれに
感じか方が違うということを知りました。

3日目

あっという間の最終日。
高原らしい爽やかな朝。空は高く、太陽がキラキラと照らしてくれました。

最終日は、2日間の総まとめ。
森林浴を企画する方法について学びました。

テーマをもとに、チームごとに森林浴の企画を作ります。
より魅力的な企画を作るため、各班本気です!

限られた短い時間の中で、各班素晴らしい企画を作ってくれました!
なんといってもプレゼンが見事でした。
いろいろな分野、様々な立場の方が参加しているので、それはそれは特徴があって面白かった!

寸劇でプレゼンテーションをしてくれたチームもありました!

あっという間の三日間。
最終日の皆さんの顔を見れば、どんな時間だったのかが伝わります。
表情が柔らかく、とっても凛々しく堂々としていて、初めてあったメンバーとは思えないほど
あたたかな雰囲気でした。

森林浴ファシリテーターの講座は、ここからが本番です。
これから半年間をかけて、受講生一人ひとりが自分で森林浴に適した森を見つけ
森林浴体験会を企画し、実践をしていきます。

全国各地の森で森林浴ができる日が待ち遠しいですね。

準備から当日の運営までご一緒いただいた講師・スタッフの皆様
清泉寮、キープ協会の皆様、ありがとうございました。

講師の仲間はいつも元気いっぱい!

そして、素晴らしい環境を使わせていただいた清里の森に、心から感謝します。

来年も素晴らしい仲間とご一緒できることを楽しみにしています。

森と未来 小野なぎさ