【報告レポート】第2回森林浴ファシリテーター養成講座

2021年10月15日〜17日第二回森林浴ファシリテーター養成講座、集合研修を開催しました。
森林浴ファシリテーターとは何を学び、どんなことをする人なのか?
研修の様子とともに、ご紹介したいと思います。

森林浴

森林浴という言葉は、皆さんなんとなく聞いたことがあるかと思います。
森林浴とは、五感をたっぷり使って森を浴びること。
最近は、森林浴を行うことによる健康への医学的効果も解明されており
血圧やストレスホルモンを下げ、免疫力を高めてくれることもわかっています。

参考:『あたらしい森林浴』小野なぎさ著(学芸出版社)

そんな私たちの暮らしに取り入れたい森林浴。
しかし森は、人の健康のためにあるわけではありません。
わたしたちが森林浴を体験することで、森のためにもなり、その森のある地域のためにもなり
さらに、森林浴を企画する人、参加する人の健康にも活動にも貢献できる。
そんな三方よし、四方よし、五方よしの活動になるよう
森林浴の取り組みを導く人。

それが森林浴ファシリテーターです。

第二回森林浴ファシリテーター養成講座

今年の会場は、山梨県北杜市、標高1400m、アルプスに囲まれた清里清泉寮で開催しました。
前に赤岳、後ろにアルプス!最高の景色です。

全国から集まった15名の受講生。年齢も性別も、仕事も住まいも趣味も全く違う人たち。
そんなメンバーとともに学びがスタートしました。

講座のスタートは、小野なぎさのガイドによる森林浴体験からの始まりです!
とても良いお天気で、森は紅葉がちらほら感じられる秋の様子。
太陽がとても温かくて、手のひらで温もりを感じます。

ここ、清里清泉寮の森はカラマツが中心の森。
平らな道で、コースもしっかりと整備されていてなんとも歩きやすい!
途中小川の水を触ったり、歩いていると突然ぱっと開けた見事な景色にも出会えます。

西日の温かさを感じながら、笹の上でごろ〜んと寝転ぶ心地。
最高でしたね!!

ここ清泉寮は、アメリカの宣教師、ポール・ラッシュ博士が開いた場所。
森の中に素敵な教会もありました。

森林浴を体験した後は、日本の森林の基礎知識森林浴の効果についての座学です。
日本の森林は今どんな状況なのか、森林が持つ多面的機能とは何か。
森が豊かであると、どんな良いことがあって、わたしたちは森林浴を通して、
森にどのような貢献ができるのか。そんなことを一緒に学びました。

二日目

霧がかった、朝の森歩き。

昨日の森とは違う場所に来たようなそんな感覚。
朝の空気、霧の潤い。心地の良い時間を過ごしました。

二日目の講義は、安全管理の知識からスタートです。
山梨県小菅村でいつも森と未来のプログラムをサポートしてくださっている
石坂真悟さんを講師に迎え、安全管理について学びます。

その後は、森林浴に適した森の見つけ方
森と未来 小野なぎさが15年間現場での実践を重ね、見出した内容を盛り込みました。
ただ気持ち良いだけが森林浴に適した森ではないこと、
安全性、実効性、快適性の3つの視点から森の選び方を学びました。

そして、いよいよフィールドに出ます!
座学の後はフィールドアセスメント。
チームに分かれて、初日に森林浴を体験した森を歩きます。

チームごとに自分一人では気付けなさそうなことがたくさんありましたね。

午後の後半は、再び座学。
世界の森林・環境問題について、日本の森林の課題について、地域の課題について、
森林を使うということは、木々を育てている人や、その森を管理している人のことを
知ることから始めます。
森林林業の課題、鳥獣被害、温暖化、森林経営管理計画、森林環境税、など
今起きていることを、最新のデータや現場の様子から学びます。

「知らなかったことがあり過ぎて・・・」

そんな言葉がとても印象的でした。
当たり前のように触れている自然環境にも、課題と向き合い取り組んでいる人がたくさんいました。
地球の環境問題については、キープ協会の小野明子さんを講師に迎え
ユニークなワークをたくさん取り入れていただきました。

夜は暖炉を囲んだ対話の時間。
なんで森林浴を学びたいと思ったのか、学んで何をしたいのか、
それぞれの想いを聞くと、心が熱くなりましたね。


三日目

あっという間の最終日。
なんと、気温が10度ほど下がり、大雨のスタートでした。

雨でも晴れでも森は森。
安全が確保できれば、雨の森は最高の空間です!
普段見れない、感じれられない世界が広がります。

最終日は、二日間の総まとめ。
森林浴を企画する方法について学びました。

テーマをもとに、チームごとに森林浴の企画を作ります。
より魅力的な企画を作るため、皆さん本気です!
フィールドの見方も、魅力の探し方も、見違えるほど慣れてきました。
体験していた時の様子とは全く異なり、
皆さんファシリテーターの目をしていました。

限られた短い時間の中で、各班素晴らしい企画を作ってくれました!
そして、プレゼン力も断然に上がっていて、本当に素晴らしかったです。

気づくと空は雨が上がり、青空の下にくっきりとアルプスが浮かび上がっていました。

あっという間の三日間。
皆さんの顔を見れば、どんな時間だったのかが伝わりますね。
とっても清々しく、かつ堂々とした姿が凛々しかったです。

森林浴ファシリテーターの講座は、ここで終了ではありません。
2泊3日の集合研修が終わってからが本番。
これから半年間をかけて、受講生一人ひとりが自分で森林浴に適した森を見つけ
森林浴体験会を企画し、実践をしていただきます。

今年の講座には、昨年受講してくれた一期生がサポートに入ってくれました。
実践ワークも一期生がサポートに入り、ともに学びを深めます。

全国各地の森で、森林浴を体験できるフィールドが広がります!
さぁ皆さん、楽しんでまいりましょう。

準備から当日の運営までご一緒いただいた講師・スタッフの皆様
ありがとうございました。

来年の養成講座は予定が決まりまりましたら、ホームページ、SNSにてご案内させていただきます。
読んでいただきありがとうございます。

森と未来 小野なぎさ