Shinrin-yoku Facilitator一期生17名が誕生!!

2021年5月1日Shinrin-yoku facilitator 一期生が17名誕生しました。

2020年に初めてスタートした講座。
これまでわたしが15年間、森に関わる仕事をしてきて
今の日本に必要だと思う“森林の空間を活用できる人たち”です。

Shinrin-yoku facilitator育成への想い

森林と健康の関係に魅了された20代の頃、山梨で活動する機会をいただいた。
森林を歩くことで健康に貢献できる。
ストレスに苦しむ人たちを、森の力で元気にしてあげたい。
そんなことを思って森林浴のプログラムを考えていた。

どんなコースだと心地よいのか、何を感じられると気持ち良いのか、どんな言葉をかけたら気づきやすいのか。
森林の空間と、人の行動、感覚について、お客さんを森に案内しながらいつも考えていた。

ある時、わたしは活動を許された森を案内していたのだが、
ここは安全なんだろうか? どこまで道を外れて入って良いのだろう。
この枝は危ないけど伐って良いのかな・・・。そんな疑問を持つことが増えた。

この森の所有者(伐ってよいとか判断できる人)は誰だろう。
所有者はこの森をどうしたいのだろう。
森はどうすればもっと元気になるのだろう。

そんな疑問を解決するため、森の所有者を尋ね話を聞いた。
すると、
「この森の奥には大切な神社があって、ここからの道は参道と逆なので、この方向からは、あまり人に入って欲しくない」と言われた。
そして、この森は財産区で、複数の人が所有者のため伐採の判断は自分だけではできない。
管理は他社にお願いしている。というのだ。

森には地元に伝わる神様がいたり、
所有者がいろいろだったり、管理者が別にいたりする。

お客様を森へ案内して、元気になってもらいたい。
という想いだけで森を使おうとしていた自分がとても無責任に思えた。

森には所有者、管理者がいて、その森が成り立っている。
その上で、森に入ることの許された場所があって歩くことのできる道が作られている。

そこに、わたしのような森に人を呼びたい人がいて、呼びたい人に誘われて、森を尋ねてくる人がいる。
森林浴ができる背景には、その森に関わる人たちとのつながりがあるのだ。

そんな気づきを得てからは、全国各地の地域へ仕事で行く度に森へ人を連れて行きたいとしている人たちと
その森を所有・管理している人たちの想いが一致していないことが多いことに気づいた。

「鳥獣被害対策、災害が起こらないような道の整備にお金を使いたいのに
森林浴のコースにお金なんて使っていられない」

「お客様が安全に、気持ちよく森を歩けるように、道の整備にお金を使いたい」

同じ森のことを考えているのに、互いの想いが伝わっていないことが多かった。

さらに、地域で活動をしていると、その森の近くに住んでいる人たちからは
「森に他人が入ると、森が荒れてしまうのではないか?」
「ゴミが増えそう」「他人がうろつかれるのは不安だ」そんな声も聞こえたきた。

その時、森林浴で人の健康を支えたいと思ったら
人への健康効果や、森林の健康(生態系や環境)のことだけでなくその森の所有者の気持ちや、
管理している人たちの立場や考えその森の近くに暮らす地域住民の想いを理解した上で行動を考えることが大切だ
と強く思った。

日本全国に森林はたくさんあって、その森を守る人がいて
その森をガイドする人たちがいて、いろいろな森との関わりはあるけど
森林浴の取り組みを広げていくためには、これら全ての立場を理解した上で、森林を使うことのできる人がもっと必要だと思った。

森林浴という活動を通じて、その森林や地域、所有者、主催者、来訪者、
全ての人にとって良い取り組みとなるよう伴奏できる人

という意味を込めて、facilitator(ファシリテーター)と名付けた。

講座は、森林の基礎知識だけでなく、森林に関わるルール(法律)のこと、地域のこと、
森林浴の効果や、森林浴に適した森の見つけ方などを集合研修で一緒に勉強をして、
その後、全国各地、それぞれが活動をしてみたいと思う森で
自らが森林浴の企画をやってみる。というところまでサポートできるカリキュラムを作った。

2020年、コロナの影響で思うように進まないことも多々あったが
2021年5月1日、全ての講座を終了し、森林浴を伴奏できる方が17名も誕生した。

写真は、Shinrin-yoku facilitatorの認定証。
すごく気に入ってしまったので、自分の分も作ってみた。笑

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一期生の皆さん、一緒に勉強をしてくれて本当にありがとうございます!
そして、いよいよfacilitatorのみなさんと一緒に活動ができると思うと
楽しみで、嬉しくて仕方がありません。

2021年、秋には二期生の講座がスタートします。
少人数ではありますが、丁寧に、大切に一緒に活動できる仲間を育てて行きたいと思います。

Shinrin-yoku facilitator養成講座について